工匠からのお便り
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松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠です。
皆様こんにちは。
今回は加工場の様子をご紹介します。
先日、工匠の加工場では、都内にある寺院の山門新築工事の作業が始まりました。
こちらは、棟梁がベニヤ板に原寸図を書いている様子です。
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神社やお寺などの建築をする、社寺建築では必ず『原寸図』を描いてから木材を加工します。
原寸図とは、木材を加工する前に実際の大きさと同じ寸法の図面をあらかじめ板に描くことです。
原寸図を描くことによって、各部材が接合される納まりの微調整を確認することができます。
現代の注文住宅や一般的な住宅は、軒がまっすぐで直線的な形をしています。
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しかし、社寺建築の軒を見ると反り上がっているの分かります。
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軒先が反り上がっていることを軒反り(のきぞり)と言います。
軒が美しく弧を描いて反り上がっていることが、日本建築の美しさの一つでもあります。
この美しい曲線を出すことが難しく、熟練の宮大工だからこそできる技なのです。
現代の住宅では、洋風な家が多く本格的な和風の家はあまり見かけなくなりました。
コンピューターが木材の加工をするプレカットが多くなり、大工が墨付けをし人の手で木材を加工する『手刻み』をすることも減ってきています。
工匠は、社寺建築はもちろんのこと、住宅においても時代がどんなに変わっても古くから伝わる伝統技術と知識を守り後世に伝えていきます。