工匠からのお便り
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工匠大工の宮浦です。
千葉県館山市にある震災記念観音堂で仕事をしています。
関東大震災による犠牲者の御霊を慰め、且つ世界平和の為、そして世の人々の精神教化の一大道場たらしめんが為、という発願のもと今日にいたってるそうです。
佐渡渡来 丈六観世音菩薩像(5m杉一本作り)があります。
日蓮上人所縁、佐渡の御神木とされていて神代杉の大木を猪熊惣四朗氏より提供を受け、金山の山奥から村中の人々の総出で切り出され、正にお祭りの様な、賑わいとお祝い事で、その時の様子は現在にも多くの人々に語り継がれている程の大行事であったそうです。
台風の影響もあって雨漏りの改善の為、瓦の吹き直し。
海に近いのと風が頻繁で結構強い時もある地形で、潮風に当たると傷みが速く、悪くなった箇所を交換しました。
高床だったものを全体下げて、手前を土間にし、元々あった虹梁を無くして観音様の姿をより良い角度で見やすくしてる最中です。
大きな物を動かす時、今の時代、機械で一人の人がやってくれます、村中総出の人々で木を切り出す、必要はありません。
そうゆう形で具体的にこの人たちの願いがこめられてるなとか、目にする事、実感する事は出来ない時代ですが、大工として仕事をするだけではなく、目にはみえないけれど、込められたそうゆう願いを形にする、そうゆう意識もなくてはならないものだと思います。