工匠からのお便り
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皆さんこんにちは工匠大工の鈴木です。
今回ご紹介させて頂く工事は自身が棟梁として墨付けから担当させて頂いた案件になります。
仕口や各部の詳細な納まりはもちろん、現場に合わせた工事の進め方まで墨付けの段階で考え、
決定しながら進めてまいりました。
屋根の中央を見ると中心から垂直に伸びる束(八角)が切られて
宙に浮いているのがわかりますでしょうか。
これが蕪束(かぶらづか)と言います。
四つ角から登り上がった隅木が頂点でお互いに沈み込む事で釣り合いをとっている構造です。
これは仕口、木組みによって成り立っています。
お互いの材料を刻み、加工して 蕪束に四本の隅木が組まれた瞬間に交点が動かなくなり
構造体が決まっていきます。
化粧垂木と天井の杉の化粧板や小舞の横桟を全体的に見上げた時の納まりは
苦労した分とても綺麗でした。
木組みのしなやかで美しい良さが1番感じさせられる所ではないでしょうか。
休憩スペースや風景を眺める場所として活用する為に腰掛け(ベンチ)を備えています。
今回は座面分を取り外せる様にして内部を物入れとして使える様に致しました。
デットスペースになりがちな所ですがアイデアと一手間で使いやすいスペースができあがりました。
施主様の意向に添える様に様々な事が出来るのも手作りのメリットだと思います。
東屋自体が周囲の自然や庭の風景に溶け込むように造られていることが多いようです。
屋根の仕上げ工事、庭園の外構工事はまだこれからですが竣工、お引き渡しが今からとても楽しみです。
私も完成後には一度足を運んで全体の眺望を楽しみたいと思います。
これからも安心、安全で喜んで頂けるよう作業に努めてまいります。